包丁の柄とブレードの境目の部分にある金属を、日本語ではツバと言い、英語ではボルスターといいます。
欧米で作られた包丁の中に、このボルスターが刃線の後端のアゴの部分まで伸びているものがあります。この形状は「フルボルスター」と呼ばれています。アゴまで伸びておらず柄と刃体の境目部分にだけ金属があるものは、「セミボルスター」と呼ばれています。日本の包丁のツバは「セミボルスター」にあたり、日本製でフルボルスターのものは見たことがありません。
たまにこのフルボルスターの包丁が研ぎに出てくるのですが、ふだんはアゴ付近は研がないで済ますのですが、今回は研いでほしいというご依頼だったのと、刃肉を減らすのにジャマだったので、フルボルスターの部分をごっそり削りました。
たいへんめんどくさい作業です。
フルボルスター、嫌いです。
むこうではどんな使い方をしているのだろうと思って、アメリカのキッチンナイフフォーラムというサイトでフルボルスターに関するスレッドを見てみましたが、欧米でも評価は概してネガティブなようです。
安全だ、とか、ウェイトバランスがいい、説明してるサイトもありましたが、なんだかなーって感じです。