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こどもの日に読む絵本
りゅうもんのたき
りゅうもんの たきを のぼれば、
りゅうに なって そらを とべる……。
こいは たきを めざして、
いっしょうけんめい およぎはじめたが……。
りゅうもんのたき
むかし、ちゅうごくの こうがと いう
かわに、いっぴきの こいが いました。
ある ひーーー、
こいは せんどうさんに たずねました。
「この かわを ずっと のぼって いくと、
なにが あるのですか」
「りゅうもんと いう おおきな たきが
あるそうだよ。その たきを のぼれば、
りゅうに なって そらを とべると
いう ことだ」
ーーーぼくも そらに のぼって、とりの
ように じゆうに とびまわりたいな。
よし、その たきまで いって みよう。
しかし、りゅうもんまでは はてしなく
とおいのです。
ーーーほんとうに いきつく ことが
できるだろうか。
こいは すこし しんぱいでした。
でも、ゆうきを ふるいおこして
りゅうもん めがけて およぎはじめました。
とちゅうで、かめに あいました。
「ぼく、りゅうもんの たきまで
いくんだ。そして、たきを
のぼって りゅうに なるんだ」
「すごいね、こいくんは。
ぼくには とても たきなんて
のぼれそうに ないけれど、
きみが がんばって のぼれるよう
いのって いるからね」
「ありがとう、かめくん」
こいは、げんきを だして およぎました。
どれほど およいだでしょうか。つかれて、
すこし およぎが おそく なった とき、
するどい はを した おそろしい さかなが
こい めがけて おそって きたのです。
「うわあ」
がつんと いう するどい おとが して、
いたみが からだじゅうを はしりました。
と、その ときーーー。
ざぶんと おおきな おとが して、
ばしゃばしゃ ばしゃっと はげしく
あばれる おとが しました。
つりびとが なげた あみに、
その おそろしい さかなが
かかったのでした。
ーーーいまだ。
こいは しにものぐるいで
にげました。
やがて、よるに なりました。
こいは つかれきって いました。
それに きずついた からだが
いたみます。
こいは みずもの かげで、しずかに
やすむ ことに しました。
ーーーああ、ぼくは ほんとうに
りゅうもんまで いけるのだろうか。
そんな こいの うえを、つきが
しずかに てらして いました。
あさに なって、こいは また
およぎはじめました。
すると、かわいい こえが
しました。
「ねえ、どこへ いくの。こいさん」
みると、
こざると かあさんざるでした。
「りゅうもんの たきを のぼって、
りゅうに なりに いくんだ」
「えらいわね、こいさんは。おおきな
のぞみを もって いるのね」
かあさんざるが やさしく
いいました。
「こいさん、のぞみが かなうように
がんばってね」
「ありがとう。こざるくんも
げんきで おおきく なってね」
こいは、とっても げんきが
でました。
ーーーよし、いこう。
どんどん いくと、しずかだった
ながれも だんだん はげしく なって
きました。
「りゅうもんは まだ とおいのですか」
こいは せんにんに たずねました。
「あの やまの むこうが りゅうもんだ。
ただし、ここを とおった さかなは
なんぜんと いるが、まだ りゅうもんを
のぼって りゅうに なった ものは
いない」
「ぼくは、きっと のぼって みせます」
「どんなに くるしくても
いっしょうけんめい がんばれば、みちは
しぜんと ひらけて くる ものだよ。
がんばって みなさい」
「はい、ありがとうございます」
こいは ちからづよく およぎだしました。
かわの ながれは、どんどん はげしく なって
きました。こいは、ながれに まけないように、
いっしょうけんめい およぎました。
すると、とおくの ほうに はげしい おとを
たてて おちて くる りゅうもんの たきが
みえました。
ーーーああ、りゅうもんだ。
こいは うれしくて うれしくて、ぴちゃっと
ひとはね、とびました。
りゅうもんの たきは、はげしい おとを
たてて おちて います。みずは あわだち、
しぶきを あげ、うずを まいて いました。
そして、その ながれの なかに、なんぜんと
いう さかなが ひしめきあって いました。
こいは、さかなたちの あいだを すりぬけて、
やっと たきの したまで たどりつきました。
みあげると、たきの みずは おおきな みずの
かたまりのように なって おちて きます。
みずと いっしょに、のぼりきれずに ちからつきた
さかなたちが、つぎつぎと おちて きました。
ーーーよし、のぼろう。
ぼくは ここまで やっと きたんだ。
ここで まけたら、なんにも ならない。
こいは ぜんしんの ちからを ふりしぼって、
たきを のぼりはじめました。
ばしゃばしゃ びしびし、
たきの みずは はげしく こいの
うえに おちて きました。
ーーーまけるものか。まけるものか。
こいは しにものぐるいで、たきを
のぼって いきました。
ばしゃばしゃ びたびた、みずは
こいの からだを うちます。
あまりの いたさに すうっと きが
とおくなりそうでした。
ーーーがんばれ、がんばれ。
そんな とき、かめや こざるの
こえが きこえるようでした。
ーーーまけるものか。ぼくは
りゅうに なるんだ。
こいは さいごの ちからを
ふりしぼって、ぴょんと
とびはねました。
ぐわあん。
するどい さけびごえが して、
こいが たきを のぼりきりました。
いいえ、
それは こいでは ありませんでした。
おおきな りゅうでした。
こいは りゅうに なったのです。
りゅうは ぐんぐん そらに のぼって
いきました。
ひろい ひろい そらを どこまでも
どこまでも、のぼって のぼって
いきました。
◎こどもの日と端午の節句◎
「こどもの日」は、子供の人格を重んじ、すべての子供たちの幸福を考え、じょうぶで健康な子供に育ってほしいと願う日です。また、お母さんに感謝する日でもあります。これは『祝日法』に記されていることで、ここまで育ててくれた両親に感謝する気持ちを忘れてはなりません 。
こどもの日は昭和23年に制定されましたが、どの日を選ぶかは意見が分かれました。
3日の雛の節句という案もありましたが、結局、5月5日の端午の節句に決まりました。
端午の節句は、もともと中国のならわしです。端午とは、月の初め(端)の午の日のことで、月ごとにありますが、中国では5月が悪月(凶月)とされていて、5月5日にはよもぎで作った人形やしょうぶを門戸にかけて、けがれを祓いました。それが日本にも伝わって、今ではこいのばりや武者人形を飾る、男の子のお祭りになりました。
◎こどもの日Q&A
Qかぶとって、いったい何に使うものなのですか。
どうして、かぶとを飾るのですか。
Aかぶとやよろいは、
昔、武士が戦うとき
に、身につけていたものな
のです。かぶとは、現在の
ヘルメットのように、頭を
守る大切な役割を果たしま
した。かぶとを飾るのは、
男の子の勇ましさをあらわ
すためです。
Qしょうきさまとか、きんたろうの
人形を飾るのは、なぜですか。
Aしょうきさまは、疫病神を祓う、中国の伝説上の神様です。
きんたろうは、あなたもよく知っていますね。くまとすもう
をとっても勝つという、力もちの男の子です。このように、じょう
ぶで強い男の子になりますようにという願いをこめて、しょうきさ
まや、きんたろうの人形を飾るようになったのです。
Qこどもの日にしょうぶ湯に入るのは、なぜですか。
「からだにいいのよ」とお母さんは言います。
どうして、いいのですか。
Aしょうぶの葉は薬草な
ので、からだがじょう
ぶになる、また、魔除けにな
ると、昔から信じられていた
のです。そのため、端午の節
句に、しょうぶをひたしたし
ょうぶ湯や、しょうぶをせん
じたしょうぶ湯を飲むならわ
しがありました。
しょうがを入れたおふろに入
るようになったのは、江戸時
代の頃からです。今でもその
習慣が残っていて、5月5日
に入るのです。
Qかしわもちは、どうして
葉っぱにくるまっているのですか。
A昔、木の葉は、食器のかわりに使
われていました。葉っぱのかおり
がほんのり移ることや、外気に触れてく
さるのを防ぐなど、じょうずに利用され
ていました。昔の人の知恵ですね。かし
わもちもそのなごりで、葉っぱで包むの
です。節句に食べるようになったのは江
戸時代からです。 5月がかしわの新葉の
季節であるため、ちまきとともに用いら
れるようになりました。
Q「端午の節句は女の子のお祭りだった」と
おばあちゃんが言いました。本当ですか。
A端午の節句は、中国の端午の行事と、日本の「五月忌み」の
ならわしが結びついたものと考えられています。日本では昔、
端午の日に、田植えの神を祭るために、むすめたちが、しょうぶで
作ったむすめの宿に入って身を清めました。これが五月忌みで、女
の子の節句だったのです。それが男の子の節句となったのは、薬草
の「しょうぶ」と、武を尊ぶという意味の「尚武」の発音が同じだ
ったからといわれています。
Qちまきは、何でできているのですか。
どうして、こどもの日に食べるのですか。
Aちまきは、米の粉のだんごを、
笹の葉に巻いて蒸したものです。
5月5日にちまきを作るのは中国のな
らわしです。中国の屈原という国思い
の人が、悪い人たちにうその訴えをさ
れ、冷たいしうちを受けたので、川に
身を投げて死んでしまいました。そこ
で、屈原の霊をなぐさめるために、毎
年命日にあたる5月5日に、人々はち
まきを川に投げ入れました。当時のち
まきは、ちがやという薬草で巻かれ、
魔除けになったのです。
これが日本に伝わり、端午の節句と結
びついて、5月5日にちまきを供える
ようになりました。
◎新聞紙でかぶとを折ろう◎
●ながかぶと●
◎かぶとジャンケンで遊ぼう◎
●足ジャンケン●
◎この本のねらい◎
5月5日のこどもの日はもともと端午の節句という男の子の健
やかな成長を願う日でした。それが戦後、児童憲章にもとづい
て、未来の社会を担う子供たちが明るく健康に育つように子
の人格を重んじ 福祉をはかろうと「こどもの日」という国民の
祝日になりました。この日を男の子だけの祝い日と考えず、女
の子も含めて、子供たちみんなをお祝いしてあげましょう
昭和62年11月1日 発行
こどもの日に読む絵本
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