もうすぐおしょうがつ

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よんであげるなら３さいから
じぶんでよむならしょうがっこうしょきゅうむき


もうすぐおしょうがつ

ひろくんと　ゆうちゃんは、おしょうがつやすみに
おじいさんと　おばあさんの　うちへ　でかけます。

ろめんでんしゃを　おりると、ひろくんと　ゆうちゃんは
かけだしました。
「ぼく、おじいちゃん　おばあちゃんち　しってるよ」
ひろくんが　いいました。
「わたしだって　しってるもん」ゆうちゃんも　まけずに　いいました。

「そこの　おじぞうさんを　まがるんだよ」
ひろくんが　いいました。
「わたしだって　しってるもん」
ゆうちゃんも　いいました。

「ここだ」　ひろくんが　いいました。
「ここよ」　ゆうちゃんも　いいました。
「こんにちは！」
ふたりは　おおきな　こえで　いいました。
「ようきた、ようきた」　おじいさんは　そういって、
ひろくんを　だきあげました。「ああ、おもい　おもい」

「わたしだって　おもいもん」　ゆうちゃんが　いいました。
おじいさんは、こんどは　ゆうちゃんを　だきあげました。
「うわあ、ゆうちゃんも　おもいなあ。こんな　おおきゅうなったんやから、おしょうがつの　ようい、てつどうてもらえそうやなあ」
おじいさんが　いいました。

つぎの　ひは、あさから　おおそうじです。
ひろくんと　ゆうちゃんは、はりきって　ガラスみがきを
てつだいます。
おじいさんが　しょうじを　はこんでいるのが　みえました。
なんだか　そっちが　おもしろそうです。

ひろくんと　ゆうちゃんは、ふるい　しょうじがみを
バリ　バリ　ビリリと　やぶりました。「ちょっと　まった。みずを
かけると、きれいに　はがれるよ」　おじいさんが　いいました。
きれいになった　しょうじの　さんに　のりを　つけて、
あたらしい　かみを　はりました。そして、きりを　ふきます。
こうしておくと、かみが　ピンとなるのです。

こんどは　へやの　そうじです。
ソファーを　うごかしたら、ひろくんと　ゆうちゃんの
しゃしんが　でてきました。
「あれ、こんなところに　あったのか」　おじいさんが　いいました。
「おじいちゃんは　ぷんぷん　もんくを　いいました。

ゆうちゃんは　はりきって　はたらいたので、つかれてしまって、
おやつも　たべずに　ねてしまいました。
おばあさんが　まるいものを　かかえて　とおりました。
「おばあちゃん、それ　なあに」　ひろくんが　ききました。
「これは　せいろ　ゆうて、あした　おもちを　つくとき、
おこめを　むすもんやねん」　おばあさんが　おしえてくれました。

12がつ　30にち。
たのしみにしていた　もちつきの　ひです。
おばさんと　おじさんと　いとこの　かずちゃんも
やってきました。

ひろくんは　きねを　もってみました。
「おもいなあ」　うまく　つけるか、すこし　しんぱいになりました。
せいろから　ゆげが　あがってきました。
さあ、いよいよ　もちつきの　はじまりです。

それっ
ペッタン　ペッタン

ぼくにも
はやく
つかせてよ

よーし
まってて
ペッタン　ペッタン

そう
その　ちょうし
ペト

わたしもやる！
10かいずつね。
いーち、にい、さん、
しい、ごう、ろく、えーと
しい、ごう、じゅう
はい、こうたい

そーれ、そーれ
ペタ

わたしも
やりたーい

これで
いいのかな
ペコ

うまい、うまい

こんどは
ひとりで
やらせてね

おっとと
と

あぶない
はなれて
はなれて

わしも　まだ
まだやれるわい
ペッタン
ペッタン
ペッタン

やっぱり
おとが
ちがうねえ

よーし　できたよ
もちばこ　もってきて

よく
つけてるよ

あつい
あつい

さいしょに
かがみもちを
つくってえな

どうして
くるくる
まわしてるの

こうすれば
まあるく
なるでしょう

つぎのが
つけたよ

あんこもちを
みんなに　つくって
もらおうな

これが
あんこよ

てにこなを
つけて、このぐ
らいに　ちぎって、
のばしてー

あんこを
いれて

ふちを
ひっぱってきて、
くっつけて、
くる　くる　くる

あんこが
でちゃった
よー

すぐ
あんこもちと
わかるさかい
ええわ

その
おおきいの
ぼくのだ
からね

ドロン
ドロン
にんじゃだぞ

これ
ふざけたら
あかんえ

くっつい
ちゃった
こな　ちょう
だい

それから、みんなで　できたての、やわらかくて　あったかくて、
とっても　おいしい　おもちを　たべました。

きょうは　おおみそかです。

あさから　いちばに　かいものに　でかけます。

ゆうちゃんは　まいごにならないように、
おかあさんの　ふくを　しっかり　にぎって　あるきました。

「おにいちゃん、まいごにならないでね」
ゆうちゃんが　いいました。

たまごやきの　おみせでは、おばさんが　ながい　はしを
つかって、くるっくるっ　ひょいひょいと、つぎからつぎへ
たまごやきを　やきあげていました。

ゆうちゃんが　むちゅうで　みていたら、
ひろくんが　さがしにきて、
「ゆうちゃん、まいごにならないでね」と　いいました。

ひろくんと　ゆうちゃんは、やっこだこと　ふくわらいを
かってもらいました。

おとうさんと　おかあさんは、しめかざりと
おせちの　ざいりょうと、としこしそばを　かいました。

これから　みんな　もうひとはたらきです。
「こら！　つまみぐいしたら　あかんえ。かがみもち　かざるのを
てつどうてきなはれ」
おばあさんが　いいました。

ひろくんは、おじいさんと　おとうさんを　てつだって、
だいどころの　こうじんさんと、かみだなと　ぶつだんと、
とこのまの　おしょうがつさんに　おもちを　そなえました。
ゆうちゃんが　おとその　どうぐを　はこんできました。
「おにいちゃん、のんだら　あかんえ」
ゆうちゃんは　おばあさんの　まねをして　いいました。

おとうさんと　ひろくんは、
かどまつと　しめかざりを　かざりました。
「おじいちゃんの　うちも、
きれいな　ふくを　きたみたいだね」
ひろくんが　いいました。

それから、おとうさんと　ひろくんと　ゆうちゃんは、
おふろやさんに　でかけました。
おとうさんは　いつもより　ていねいに、ふたりの　からだを
あらってくれました。
「おにいちゃん、ゆざめしないように、ゆっくり　あったまってえね」
ゆうちゃんは　おかあさんに　いわれたことを　いいました。

おふろから　かえると、おせちりょうりも　すっかりできて、
じゅうばこに　つめられていました。
みんなで　としこしそばを　たべました。
「これを　たべると、そばのように　ながく　しあわせに
いきられるんだよ」　おばあさんが　いいました。

おかあさんが、おしょうがつに　きる　あたらしい　したぎと
ようふくを　よういしてくれました。
ふたりとも、きょうは　ねむいのを　がまんして　おきています。
ゴーンと　じょやのかねが　とおくから　きこえてきました。

みんなで　ちかくの　おてらに　おまいりに　でかけました。
じょやのかねを　つく　ぎょうれつが　できています。
ひろくんも　ゆうちゃんも、てが　とどかないので、おとうさんに
だいてもらって　つきました。

ゴーーンと　おおきな　おとが　そらに　すいこまれて
いきました。
ひろくんも　ゆうちゃんも、こんなに　よる　おそくまで
おきていたのは　はじめてでした。

ゴーーン、ゴーーン。
じょやのかねが　うしろから　きこえてきます。
もう　あとすこしで　ことしも　おわり、
あたらしい　としが　はじまります。

もうすぐ　あけまして　おめでとう。


１９８９ねん１２がつ１にち　げっかん「こどものとも」はっこう


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