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【ユニバーサルロボット】愛同工業(愛知県、自動車部品製造)の協働ロボット導入事例:マシンへのワークの投入/取り出し、ワークのブロー

概要 
 愛知県大府市でアルミダイカストと切削加工による自動車部品OEM製造を行う愛同工業は、慢性的な人材不足により、売上が増えても利益率が低いという課題を抱えていました。対策を練る中で工程作業を分析すると、ワークの脱着など繰り返し作業が多くロボットに向いていると判明。当初は従来型の産ロボの導入を検討しましたが、システムコストが高いのがネックでした。2016年に展示会で出会ったURロボットは、システムを内製できるとわかり導入に着手。代理店のサポートも得て最初の1台を導入すると、後はスムーズに導入でき、今や40台ものURロボットが稼働しています。

02課題
 愛知県は自動車部品製造の大企業が多く、常に人材不足の状況です。派遣社員の給与など労務費がかかり、売上が増えても利益が増えないのが課題でした。工程には繰り返し作業が多くロボット化しやすいと考えましたが、従来型産ロボではシステムコストがかかり、容易に導入に踏み出せませんでした。

03ソリューション
 2016年、ある展示会で愛同工業株式会社 代表取締役社長の渡辺 裕介氏はURロボットに出会います。「それまでは、機械メーカーの助けなしにロボットシステムを構築するのは不可能だと考えていましたが、URロボットの場合は自分たちでセッティングできるとわかりました。コストをかけずにロボットを導入できることに魅力を感じ、導入を決定しました」



 ロボットシステムの構築には、保全・ダイカスト生技室 室長の小川 喜保氏が携わりました。「以前は、飲食店の経営に携わっており、ロボットに関する知識は皆無でした。はじめの1台の立ち上げには苦労しましたが、代理店のサンゲン株式会社が助けてくれたこともあり、やりたかったことが実現しました」



 まず初めに立ち上げたのは、洗浄後の部品にエアブローをする工程です。複雑な形状のワークを完全に乾かすには穴の中までブローする必要がありますが、ロボットハンドにノズルを付けてブローすることで、人手では取れにくい狭い穴の中まで乾かせるようになりました。



 コンベアからワークを取り出し2度のリークテストを行ってから洗浄し、エアブローしたら完成品コンベアにワークを置く、という4台の機械が関わる一連の工程のマシンテンディングも、URロボットが担当しています。複数工程に一度に対応できるよう、ロボットハンドは自作しました。「人が行っていた工程を自動化することで人手を削減できました。また、人の場合は工程を飛ばしてしまったり、不良品を良品と誤判定してしまうこともあり得ますが、ロボットに置き換えることでその心配がなくなりました」(小川氏)



 愛同工業では3年間で40台のURロボットを導入し、生産性が倍増しましたが、ロボット導入の効果はこれだけではありません。「ロボットには自ら問題を発見する能力はありませんが、現場の社員たちはロボットの動きに無駄を見つけると、自らティーチングをして改善をしています。人間の知恵をロボットに織り込むことで、さらに生産性を上げることができるようになりました。これこそが真の“協働”だと思いますし、ここに働き甲斐ややりがいのヒントがあるのではないかと思います」(渡辺氏)