ロバのポコとうさぎのポーリー

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ロバのポコとうさぎのポーリー

「ロバくん、
よつばのクローバー
たべないで！」

「ああ　びっくりした」
ロバのポコは　いいました。
「おどろかせて　ごめんね、ロバくん。
よつばのクローバー、やっと　みつけたんだ」
と、うさぎのポーリー。

ポコは　はっぱが　４まいある　クローバーを
もういちど　よくみました。
そして　ふがふがと　においを　かぎました。
「これ、そんなに　おいしいの？」

「ちがうよ　ロバくん。
これを　みつけて　もっていると
たのしいことや　うれしいことに
いっぱい　であえるんだよ。
おばあちゃんが　おしえてくれたの」
ポーリーは、よつばのクローバーを　ぬいて
かばんに　さすと、ぴょんぴょんと
はねました。

「ぼくも　ほしいなあ、よつばのクローバー」
「じゃあ、いっしょに　さがそうよ、ロバくん」
「うん、ありがとう、うさぎくん。
ぼくは　ポコ。きみは？」

「ぼくは　ポーリー」

「このへんには　もう　ないのかな」
「ないのかも　しれないねえ」
ふたりは　こまって　かおを　みあわせました。
「ねえ、ポコ、きみの　みみは　ながいね」
「ポーリーの　みみも　とってもながいね」
「ねえねえ、ちょっと　ながさを　くらべてみようよ」

ポコと　ポーリーは、みみを　ぴーんと
のばしました。
すると、そよそよふく　かぜにのって、
こえが　とぎれとぎれに　きこえます。

「こえが　するね」
「うん、よつば……って　きこえたよ」
「やったーって　いってるよ」
「よつばが　みつかったのかなあ」
「うん、きっと　そう！」

ふたりは　こえのするほうへ　いくことにしました。
ポコは　ポコポコと　あるきます。
ポーリーは　ピョコン　ピョコンと　はしります。
「こえが　ちかくに　きこえてきたよ」
「うん、きこえる　きこえる」

やがて　ふたりが　ついたばしょは、『よつばいけ』でした。
「やったー！」
「つれた、つれた！」
みんなは　つりをしています。

「ねえねえ、きみたちも
いっしょに　つり　しようよ」
クマのこどもが　さそいました。
「ぼくたちも　やろうか」
「うん、そうしよう！」

「きた　きた！」
「おおきい　さかなかもしれないよ」

「ああ、たのしかった」
「そろそろ　かえろうか」
「ねえ、ポーリー、ぼくたち　なにか
わすれてない？」
「あっ　そうだ！　よつばのクローバーを
さがしにいく　とちゅうだったんだ」
ポーリーは　すこし　かんがえて、こう　いいました。
「こんどは、においで　さがそうか。
ほら、このにおい　よーく　かいで」

それから　はなを　ひくひくひく。
かぜのにおいを　かぎます。
「するする、クローバーのにおい」
「うん、あっちだね」

さっそく　ふたりは、クローバーのにおいの　するほうへ
いくことにしました。
ポコは　ポーリーを　せなかに　のせて　ポコポコと　あるきます。
「うわー、そらが　いつもより　ちかくにあるよ。
なんだか　ぼく　おとなになった　きぶん」

「うわーーーーーーっ」

やがて　ふたりの　めのまえに
あたりいちめんの　クローバーが　ひろがりました。
「あったね！　こんなに　いっぱい！」
「これなら　きっと　みつかるね」

「ないね、よつば」
「うん、みつば　ばっかりだね」

そのうち　ポーリーは、よつばを　さがすのを　やめて
なにかを　つくりはじめました。

「なあに？　それ」
ポコが　きくと　ポーリーは
うれしそうに　いいました。
「ポコ、こっちに　きてみて」

「ほら、こうするの」
ポーリーは　ポコのあたまに
クローバーのかんむりを　のせました。
「これ、ポコに　あげるよ」
「うわあ、うれしい！
ありがとう、ポーリー」

そらが　ゆうひに　そまりはじめました。
「そろそろ　かえらなくちゃね」
「うん。とっても　たのしかったね」
「よつばのクローバー　みつからなかったけど、
たのしいことも　うれしいことも
いっぱい　あったよ」
ポコが　いいました。

「ねえ、また　あした　あそぼうよ」
「うん、あそぼう！」

「また　あした」

「うん、また　あした」


２０１１ねん１０がつ１５にち　はっこう
えほん・こどものひろば


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