客による店員への迷惑行為=「カスタマーハラスメント」について、東京都の小池知事が防止条例の制定について検討を始めました。
コロナ禍もあり、急増する「カスハラ」。迷惑行為の境界線など、専門家に聞きました。解説です。
■「悪い評価つけてSNSにアップするぞ」「服が太って着られなくなった、返金して」
良原安美キャスター:
条例制定の検討は「カスハラは許されない」ということを周知するのが目的です。
具体的な禁止行為などを、ガイドラインで示す方針ですが、罰則規定は設けない方向で調整が進められているということです。
これは、悪質な行為には、刑法が適用可能だからということです。
背景には、カスタマーハラスメントが増えているということがあります。
カスハラ問題に詳しい、関西大学の池内裕美教授によると、カスハラの最近の傾向について「右肩上がりで増えている」ということです。
サービス業に従事する方への調査(UAゼンセン 2020年調査)では、直近2年で「カスタマーハラスメントがあった」と答えた人は56.7%もいました。
普段は怒らないような人がコロナ禍に鬱々とした空気感になって「なぜマスクが売ってないんだ」と“カスハラ”するケースがあったそうです。また、最近は「悪い評価つけるぞ、SNSにアップするぞ」というカスハラもあるということです。
こんな理不尽なカスハラもあります。
「服のお直しをお願いします」と言った客が、半年間も受け取りに来なかったため店側が自宅に郵送しました。
するとその客は店に「太って着られなくなった、返金して」と連絡してきたそうです。
日比麻音子キャスター:
サービスとかミスとかという範囲を超えていますね。私もアルバイトで接客をしていたときに、理不尽に責められたことがあって、すごく恐怖を感じた。こういったことが、消えない心の傷になっていくこともある。
松田丈志さん(元競泳日本代表):
日本のサービス業は「お客様は神様」という通念みたいなものがあるが、実際はそんなことはなくて、サービスする方と、受ける方の立場には偉いとか偉くないとか、そういうものはないわけです。人として最低限の接し方というものがあると思います。
井上貴博キャスター:
従業員個人の一生を左右してしまうぐらいの心の傷になる場合もある。
また会社の損害にもなる。会社も毅然と対応をしたいが、後ろ盾がない。こういう法令が、ひとつの後ろ盾になるのかもしれません。
■2060人への調査で、924人が「カスハラした経験がある」と…
良原キャスター:
“カスハラ”といっても、境界線が難しいです。関西大学の池内教授に聞きました。
「落ち着いた口調で、賠償を要求している」…カスハラに当たる
「大声でクレームを言っているが、賠償は要求していない」…カスハラの可能性も
「落ち着いた口調で、賠償要求していない」…カスハラの可能性も
3つ目に、なぜカスハラの可能性があるのかというと…
▼店員に長時間対応させる、▼周囲が迷惑と感じるなどの場合、その行為がカスハラとなる可能性があるということです。
東洋大学の桐生正幸教授の調査では「カスハラしたことがある」と答えた人が、2060人中924人いました。
男性は、「大声で威圧的な話し方をする」傾向が、女性は「一方的に話し、謝罪を求める」傾向があったということです。
924人の属性として多かったのが…
▼45歳から59歳
▼社会的な地位が高い社長など
▼世帯年収1000万以上
この傾向について、池内教授は、本人はそうだと思っていなくても、親切心がカスハラになっているケースもあるといいます。
松田丈志さん(元競泳日本代表):
僕も、こうやってコメントする仕事をしているので「全然違う!」「わかってない!」と書かれることもあります。それは、こういう仕事をしてる以上はひとつの意見として受け入れますが、やはり言い方とか、言葉遣いとか、態度とか、最低限のものは必要かなと思います。
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