もりのおばけ

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よんであげるなら３さいから
じぶんでよむならしょうがっこうしょきゅうむき


もりのおばけ

ぼくは、おとうとと　さんぽに　いきました。

そして、どっちが　はやいか　もりの　なかまで
かけっこしました。

おとうとになんか、まけっこないよ。

ぼくが　ぴゅーっと　はしると、おとうとは
たちまち　みえなくなりました。

やっぱり　ぼくのほうが、だんぜん　はやいぞ。

でも、もりの　なかは　くらくて、うすきみわるいな。

それに、なんだか　へんなものが
いっぱい　いるんだよ。

ぼくは、だんだん　こわくなってきました。

あぁ、おとうとのやつ、
いったい　なにしてるのかな。

ぼくは　もう、こわくて　こわくて、
「おーい」って、よんでみました。

そしたら、もりの　おくから、「おーい」って
いいながら　おばけが　とんできました。

ぼくは、びっくりして　にげました。

すると、そっちからも、「おーい」って　いいながら
おばけが　とんできました。

ひゃーっ、こっちからも。

ぼくは、おばけに　とりかこまれてしまいました。

「おーい」「おーい」「おーい」

おばけは、どんどん　おいかけてきました。
たいへんだ！　ぼくは　つかまりそうになりました。

そのとき、ぼくは　きの　ねっこに　つまずいて、
すってーんって　ひっくりかえってしまいました。

そして、こわいから、そのまま　じっと
めを　つむっていました。

でも、しばらくして　めを　あけると、
もう、おばけなんか　どこにも　いませんでした。

あぁ、よかった。

ところが　また、もりの　なかから、
「おーい」っていう　こえがしました。

ぼくが、どきどきして　きの　かげに
かくれていると……、

「なーんだ、おにいちゃん　こんなとこに　いたのかぁ」
と　いいながら、おとうとが　でてきました。

それで、ぼくたちは　てを　つないで、
おうちへ　かえりました。


１９６９ねん１１がつ１にち　げっかん「こどものともねんじゅうむき」はっこう


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