古いWAVファイルを引っ張り出してみました。これ、E-MU Proteus(プロテウス) FX(ティンパニのみだったかな? YAMAHA MU100も使用)というハード音源を鳴らしてみたベートーヴェンの交響曲第5番、そう、いわゆる《運命》の第一楽章です。
Proteus──これは私にとって1990年代後半、憧れのハード音源でした。私の今はないホームページにはこのように書き込んでいました(一部書き直しています)。
私とこの音源(Proteus FX)との出会いは、今は亡き『コンピュータ・ミュージックマガジン』誌の一つの記事からでした。そこには、すぎやまこういちさんのインタビューが掲載されていました。そのなかで、すぎやまさんは、お気に入りの音源ということで、オーケストラのためのシンセであるProteus/2をあげられてました。例えば、トランペット・ソロなど、クラシック系の大きなマウスピースから出るまろやかな音であり、アメリカの良い演奏家の音を元に作っているんでしょうね、と絶賛されてました。この記事を読んだ私は、この音源が無性に欲しくなりました。そこで、このことを友人に相談しましたら、廉価版のProteus FXという音源もあるとのことでした。これなら中古で購入できそうだったので、早速高円寺の某楽器店でGetしました。
うん、海外製品だったので、わざわざ変圧器も購入して使っていましたね。当時メインのハード音源(DTM音源)であったYAMAHAのMU100や、RolandのM-GS64(SC-88の1Uラック版)、M-OC1(オーケストラ音源)などと比べてみても、私的には別格の音源という扱いでね。もっとも、現在からすればちょっと粗い音でもあり、21世紀に入ると、徐々にハード音源からソフト音源にシフトしていくんだけど……
ところで、この《運命》、22年前(2002年4月)、私のもう存在しないホームページのゲストブックでのマリン(marin)さんとのやりとりのなかで制作しました。懐かしいね♪ そう、改めてベートーヴェンって凄いなぁ~! って感じながらね。この宇宙的ですらある構成と力感──ベートーヴェンって、何だ彼んだ言っても、クラシック音楽界随一の作曲家だと。
マリンさんには「268小節目のAdagioのオーボエなど、 涙が出そうになりました」とのコメントをいただきました。ありがとうございます。ちなみに、ここは私もうまく仕上がっているのでは! とちょっぴり自画自賛しています。もちろん、これはProteus FXのオーボエの実力。オーボエの音色はProteus FXのなかでも個人的にお薦めだったしね。
なお、以前重ねて乗せたリバーブのためか、かえって解像度は落ちた感のあるデータになっていますが、ぜひ聴いてください(本当は、できるものなら最初からリマスタリングしたいところ)♪
【メモ】
作曲:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
曲:交響曲第5番 ハ短調 作品67より第1楽章 Allegro con brio
音源:Proteus FX、MU100
データ制作:Izumi-chan
ジャンル:クラシック音楽
映像制作:Vegas Pro 18.0