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【技術士二次試験】技術士試験は知識の多寡を試す試験ではありません。キーワード解説に注目しすぎるのはお勧めしないです。

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II -4
公共事業におけるコスト縮減に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 国土交通省では「公共工事等における新技術活用システム」を運用しており,公共工事等の技術水準を一層高める画期的な新技術の中から,推奨技術と準推奨技術が選定されている。
② PFIは,公共施設等の建設,維持管理,運営等に民間の資金,経営能力及び技術的能力を活用することにより,効率的かつ効果的に社会インフラを整備・運営する手法である。
③ 「i-Construction」の取組の1つである「建設現場へのICTの全面的な活用」では,ドローン(無人航空機)や3次元測量データ,無人化・自動化施工技術など,従来よりも幅広く技術の活用を進める。
④ 維持管理•更新等に係るトータルコストの縮減・平準化を図るためには,主に短期的な効果を把握し,必要な取組を進めていくことが重要である。
⑤ 技術基準類を性能規定化することで,設計・施工の自由度の増加が新技術の採用の促進につながるとともに,技術競争力の向上による品質の向上とコスト縮減を図ることができる。



【学習のポイント】
工事コスト縮減は筆記試験のテーマでもあります。
少し詳しく見ましょう。
公共事業における維持管理や更新に関して、短期的な効果のみに焦点を当てることは推奨されません。ここで指摘されている「主に短期的な効果を把握し、必要な取組を進める」というアプローチは、いくつかの点で問題があります。

長期的な視点の欠如: 公共事業では、初期コストだけでなく、ライフサイクルコスト(建設、維持管理、更新、廃棄に至るまでの全てのコスト)を考慮することが重要です。短期的なコスト削減が、将来的に高額な維持管理費用や更新費用を招く可能性があります。

持続可能性と効率性の低下: 短期的な効果に注目することで、より持続可能で効率的な解決策や技術の導入を見逃す恐れがあります。長期的な視点からの計画と実施は、持続可能なインフラストラクチャの発展と、将来の世代に渡ってのコスト効率の良い運用を可能にします。

総所有コストの見落とし: 公共事業においては、総所有コスト(Total Cost of Ownership; TCO)を最小限に抑えることが目標です。短期的な効果に基づいた決定は、TCOを適切に評価・管理することを妨げ、結果として全体のコスト増加を招く可能性があります。

リスク管理の不十分: 短期的な取り組みに偏重することで、工事の質や安全性、将来の維持管理に必要なリスク管理策が十分に考慮されない可能性があります。これは、工事の耐久性や安全性に関する将来的な問題を引き起こす恐れがあります。

【解法のテクニック】
① は適切な説明です。国土交通省の「公共工事等における新技術活用システム」は、公共工事の技術水準を高め、コスト縮減や品質向上を図るための新技術を推奨・準推奨技術として選定するものであり、適切な取組みです。

② は適切な説明です。 PFI(Private Finance Initiative)は、民間の資金や技術を活用して公共施設を効率的かつ効果的に整備・運営する方法であり、コスト縮減やサービス品質の向上に貢献することが期待される適切な手法です。

③ は適切な説明です。 「i-Construction」におけるICT技術の全面的な活用、例えばドローンや3次元測量データの使用、無人化・自動化技術の導入は、建設現場の生産性向上やコスト削減に寄与する適切な取り組みです。

④ は不適切な説明です。公共事業におけるコスト縮減を目指す際、短期的な効果に主に焦点を当てることは、維持管理や更新におけるトータルコストの縮減や平準化を図る上で不適切なアプローチです。実際には、長期的な視点を持ってコスト効率の良い取り組みを計画し、実施することが重要です。短期的なコスト削減が長期的なトータルコストの増加を引き起こす可能性があるため、維持管理や更新等における効果的なコスト管理は、長期的な視野での戦略的な計画と取り組みを要します。

⑤ は適切な説明です。 技術基準の性能規定化は、設計や施工の自由度を増やし、新技術の導入を促進することで技術競争力を高め、品質の向上とコスト削減を実現する適切な方策です。

従って不適切な説明は④、正解は④です。



上記のように解答の解説があります。
これが択一解説です。