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もしも・・・
おとうさんも おかあさんも、
ちっちゃな 子が かわいいのね。
おとうとばかり だっこして、
いたずらしても わらってるだけ。
つまらない つまらない。
わたしが なにか すると、
いつも おとうとが じゃまするのよ。
えのぐを ほうったり、本に らくがきしたり。
なのに、しかられるのは いつだって わたし。
おとうとなんて いらないわ。
わたしね、いま にげだして かくれてるとこ。
草の なかに、じっとしてるの。
もう、だれも わたしを みつけないわ。
じっと、じっとしていたら、
ちょうちょが きて 花に とまった。
わたしが みていても へいき。
ちょうちょは しずかに しずかに、
はねを とじたり ひらいたりしている。
すきなように しているの。
わたし、ちょうちょだったら よかったな。
花から 花へ ひらひら とんで、
花の ジュースを のむのよ。
「まって まって」
と、ついてあるく おとうとも いない。
ひとりで すきな とこへ とんでいく。
ともだちと ひらひら おにごっこも できる。
でも、
むしとりあみを もった 子が きたら たいへん。
そうね、
うさぎのほうが いいな。
草はら かけて、はねて あそぶの。
お月さんの ばんも、
そとで ずーっと あそんでいられるのよ。
おなかが すいたら、クローバーの はっぱ、
もしゃもしゃ たべて。
でも、うさぎって どうして いつも、
あんなに はなを ひくひく、
口を もこもこさせてなくちゃなんないの。
わたし きっと くたびれちゃうわ。
そうなの、わたし、
なまけものが いいな。
なまけものってね、
たかい 木の うえに、ぶらさがってるだけなの。
なんにも、なあんにも しなくて いいんだって。
ハンモックみたいに ぶらさがっていたら、
風が ゆすってくれるのよ。
手を のばせば、パパイヤも もげる。
木の うえで、のんびり ごちそう たべて、
おしっこも うんちも、そこで するの。
雨の シャワーが、あらってくれるよ。
でも、
ともだちは どこに いるの。
からだに こけが はえるまで、
だれとも あそばず、じーっとしてるのかしら。
わたし フラミンゴが いいわ。
ピンクの フラミンゴ。
ながい 足を そろえて、
みんなで あるく とき、
ダンスしているみたいよ。
はねを ひろげて、ゆうやけぞらを とぶの。
ああ、うっとりしちゃいそう。
おいしい おさかなを プレゼントごっこできる。
ともだちが いっぱい、いっぱい いるの。
でも、わたしと ともだちが、
あんまり そっくりで、
どっちが わたしか わからなくなっちゃうわ。
そうね、わたし、
くじらが いいと おもう。
あおい 海の そこ もぐって、ジャンプする。
水しぶきが どーっと あがるわ。
んんんんーーーぶおおーーーっ
わたし うたうんだ。
わたしの うたが 海に ひびきわたる。
おおきな くじらでも
さびしい ときが あるのよ、きっと。
だいすきな 子が しんで ないてるの。
そんな とき、こえが するの。
「げんきを だして。わたしが ついているわ。
いつまでも いっしょよ」
だいすきな 子じゃなくて、
それは、
くじらに くっついてる ふじつぼが いってるの。
でもね、くじらは うれしくなって、
すこしずつ げんきになるの……。
くじらは おおきすぎるわね。
そうよ、わたし りすが いい。
ふさふさの しっぽ、
ゆうらり うごかしている りすよ。
えだから えだへ とびまわって、
くるみ こりこり たべて、
ねるときも 木の うえ。
しっぽの ふとんに くるまって ねるの。
お星さまに みまもられて……。
そうよ、やまあらしも 木に のぼるのよ。
わたし、やまあらしが いいな。
だって、はりを たくさん もってるでしょう。
わたしが おこると こわいから、
みんなが わたしを おこらせないように するわ。
やまあらしは、あの はりを ぴゅっと まげて、
ふきやのように とばせるんだもの。
だけど、わたしは へいわな やまあらし。
はりを ぬいて、けいとを あむわ。
木のうえで のんびり マフラーを あむわ。
でも、はりに ひっかかって、
もつれちゃうかしら。
木のうえは すずしいけど、
ちかしつも すずしいの。
それに 冬も あたたかよ。
ちかしつぐらしの もぐらは いいな。
トンネルを ほって、トンネルを ほって、
あたらしい みちを つくるの。
たったひとりで、ちからいっぱい すすんでいくの。
もぐらは、しらない みちを ほって ほって、
まい子になったり しないのかしら。
くらい なかを すすんで すすんで、
まい子になってしまったら、
だれが さがしにきてくれるの。
だあれも よんでくれないの……。
だあれも よんで くれないの……。
あ、だれか くる。
こっちへ くるわ。
草が さわさわ ゆれて、
ちいちゃな 足おと……。
「おねえちゃん、おねえちゃん」
草の なかから おとうとの こえがして、
おとうとが かおを だしたの。
そして、わたしに とびついて きたの。
わたし、
おもわず おとうとを しっかり だいていたわ。
「おねえちゃんたら おねえちゃん」
おとうとは、はんぶん なきながら わらってるの。
べたべたの ほっぺた すりつけて。
わたし わたし。
にんげんの わたしに もどっちゃった。
それで、もう、つまらなくなかった。
そうなの。
うん。
そして、
わたしたち ふたり、
手を つないで おうちへ かえったの。
1993ねん6がつ10にち はっこう
えほん・こどものひろば
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