在留外国人数が過去最多を更新し、外国人が関わる事件・事故への対応が課題となっています。その中で特に重要視されているのが、警察の通訳体制の強化です。在留外国人が増加、事件・事故も増える傾向出入国在留管理庁によると、2023年6月末時点で国内の在留外国人は358万8,956人。長崎県内でも1万4,277人と、統計開始以来、最も多くなりました。これに伴い、外国人が事件や事故を起こしたり、巻き込まれたりするケースも増加。長崎県警によると、外国人の検挙人数や被害件数はここ数年、増加傾向が続いています。外国人対応に必要な「通訳」、県警の対応は?外国人とのやり取りに必要不可欠なのが通訳です。2023年には、警察官や民間通訳が112人出動し、通訳対応は291回にのぼりました。長崎県警によると、特に英語・韓国語・中国語の需要が高く、近年はベトナム語の通訳も急務になっているといいます。長崎県警察本部刑事部組織犯罪対策課 人見治弘 次席調査官:
「英語あるいは韓国語、中国語が比較的多い。加えて最近はやはりベトナム語の通訳の需要も高まってきているような状況です」外国人刑法犯 最多はベトナム人これまで在留外国人の多くを占めていた中国人に代わり、近年はベトナム人が最多となっており、その影響で、検挙された外国人刑法犯も3年連続でベトナム人が最多となっています。現在、長崎県警には警察官通訳90人、民間委託の通訳72人が在籍。しかし、県警のベトナム語通訳は主要言語と比べて少なく、育成が急がれる状況です。県警、通訳警察官の育成を強化長崎県警では、通訳を希望する警察官を、東京の警察大学校「国際警察センター」へ派遣。2年間の研修を受け、通訳スキルを身につけます。昨年は5人を派遣し、今後さらに増やしていく方針です。「警察官が通訳すると安心」 現場の声現在、組織犯罪対策課に所属するベトナム語の通訳警察官は、過去にこの研修を受けた1人です。以前、交番勤務時代にベトナム人の遺失物対応を経験し、「長崎にもベトナム人が多い」と感じ、ベトナム語の習得を決意しました。2023年は5回の通訳出動を経験。取り調べの場で、取調官とベトナム人の間に入り通訳を担当しました。通訳人の警察官:
「ベトナム人の遺失拾得などの対応がありました。ベトナム人が長崎にも多いことが分かっていたので習得しようと思いました」「取り調べの際、取調官とベトナム人の間に入って通訳をしました。母国語を話せる警察官がいると安心するみたい『来てくれて、ありがとう』と言ってもらえる。でやりがいを感じています」多言語対応の強化へ長崎県警察本部刑事部組織犯罪対策課の人見治弘 次席調査官は、今後も多言語対応を強化する考えを示しています。長崎県警察本部刑事部組織犯罪対策課 人見治弘 次席調査官:
「さまざまな国の方が住んでいる。誰もが安心して暮らせる環境を作るため、県警として体制の強化に努めていきたい」外国人の増加に伴い、警察の対応も進化が求められています。
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