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やねのうえのもも

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わたし わるくない。
ぜったい わるくないんだもん。

ももは ぐっと がまんして、
やねのうえに いました。


やねのうえのもも

もものうちは ようふくやさんです。
おみせのまえで おとうとの ようちゃんと
あそんでいると、ねこの ミーコが きました。
ようちゃんは 「こっち おいで」と、
ミーコのしっぽを ひっぱりました。
「ようちゃん、ミーコ やだってさ」
「やじゃないよ。ね、ミーコ」と、
ようちゃんは あしも ひっぱりました。
「だめっ!」
ももは おおきなこえで どなりました。

「わーん、おねえちゃんが いじめたあ」
おとうさんが おみせから でてきました。
「もも、また ようじを いじめたのか。あやまりなさい」
「やだよ。わたし わるくないもん」
「よーし、わかった」
おとうさんは もものうでを つかむと いえに
はいりました。

「あやまらないこは おしいれだぞ。いいな」
おとうさんは ももを おしいれに いれると、
とに しんばりぼうを かけました。
「だしてよー。おとうさーん」
「あやまれば だしてやるぞ」
「やだよー」
ももは おしいれのとを ぽんぽん けりました。
おしても ひいても あきません。

(なにさ、おしいれなんか。
わたし ぜったい あやまらない。わるくないんだもん。
おとうさんは いつだって わたしばっかり しかるんだから。
きっと わたしのこと きらいなんだよ)
ももは いつのまにか ねむってしまいました。

「もも、ごはんですよ」
おかあさんが おしいれを あけました。
「あら、やっぱり ねむってる。さあ、ももの だいすきな
オムレツよ」
ももは おしいれからでると、おとうさんを にらんで
オムレツを ほおばりました。おとうさんは わらいながら、
「ほら、もも、おとうさんのぶんも あげよう。
おしいれで おおあばれしたから おなかすいただろう」
と、いいました。ももは、おとうさん やっぱり
わたしのこと すきなんだ と、うれしくなりました。

つぎのひ、ももが かんちゃんたちと ボールけりを
していると、おむかいの おじいちゃんが でてきて
「うるさーい! しずかにせんかあ」
と、すごい こえで どなりました。

すると かんちゃんが
「うるさーい! いじわるじじいの すっとこどっこーい」
と、さけんで、さっと にげました。
ももも あわてて いえに にげこみました。

「ごめんよ。ももちゃんは おるかね」
おじいちゃんが どなりこんできました。
おとうさんは びっくりして、
「ももが なにか しましたか」と、いいました。

「おー、わしのことを いじわるじじいの
すっとこどっこい といったんじゃ」
「えっ、そんなことを! どうも すいません。
すぐ あやまりに いかせますので
かんべんしてください」
「うむ。では まってるぞ」

おとうさんが いえのなかに はいってきました。
ももは いそいで かいだんを かけあがり ものほしばから
やねに とびのりました。
「こら、まちなさい。もも」
おとうさんが おいかけてきました。

「やだよ。わたし あやまりに いかないよ。
わるくないんだもん」
「よーし、そんなこは もう うちのこじゃない。
ずーっと そこに いなさい。おりちゃあ だめだぞ」
おとうさんは おこって いってしまいました。

(うちのこじゃない なんて おとうさんの ばか。
いいよ。おりないよ。たのまれたって おりないから。
わたし、やねのうえ すきだもん)
ももが やねのうえで あそんでいると、ぷ~んと
いい においがしてきました。
「あ、おひるは カレーだな。あー、カレー たべたい」
ももは きゅうに おなかが すいて、すこし げんきが
なくなりました。

したをみると かんちゃんが おとうさんと
てを つないで とおります。

(いいな かんちゃん。おとうさんと いっしょで)
のりこちゃんは おかあさんと いっしょで
あんなに うれしそうです。
ももは なんだか さびしくなってきました。

それから どんどん じかんが たちました。
ももの くちは へのじになって、めからは なみだが
こぼれそうです。
でも ももは ぐっと がまんして、やねのうえに
いました。
(わたし わるくない。
ぜったい わるくないんだもん)

「みゃーおん」せなかで ミーコが なきました。
「あ、ミーコ!」ももは ミーコを だきあげました。
「ミーコ、わたしと いっしょに いてね。どこにも
いかないでね」
ミーコは、ももの かおを ぺろぺろ なめました。
「うふふ、くすぐったい」
ももは、すこし げんきに なりました。

ミーコと あそんでいると、そらが ももいろに
そまってきました。
「わー、きれい!」
ももいろは どんどん ひろがります。
「ミーコ、ももいろって わたしの いろだよ」
ももは うれしくなって おおきな こえで
うたいました。
「そーらは もーもいろ わーたしも もーもいろ
ミーコも もーもいろ みーんな もーもいろ
どーもだちだよ ヘイ!」

パチ パチ パチ「じょうず じょうず」
だれかが はくしゅ しました。
「あ! おじいちゃんだ」
「ももちゃん、さっきは どなって わるかったな。
ひるねしとったもんで うるさかったんじゃ。
いじわるじじいなんて いわんでくれよな」
「わたし いわないよ。かんちゃんが いったんだよ」

「なーんだ。そうかい。わしゃあ てっきり、
ももちゃんかと おもったよ。いやあ ほんとに
わるかったなあ」
ももいろの おじいちゃんは うんと やさしそうです。

「さて、そろそろ ゆうごはんでも たべるとするか」
おじいちゃんが いいました。
「おじいちゃん、わたしも ごはん たべたい。
でもね、おじいちゃんに あやまらないから、
ずっと ここに いなくちゃ だめなの」

「そうか、そりゃあ たいへんだなあ」
「うん、たいへんなの。おなかすいて わたし
ここで しんじゃうかもしれない」
したで ふたりの はなしを きいていた おとうさんが、
「もも おりといで。おとうさん、もう おこってないよ。
おじいちゃんも うちで いっしょに ごはんを
たべませんか」と、いいました。

おかあさんが つくった おすしを、ものほしばで
たべることにしました。
ももの ほっぺは、つめこんだ おすしで パンパンです。
「いつも げんきだね、ももちゃんは。わしも こんな
まごが ほしいなあ」と、おじいちゃんが いうと、
「どうぞ つれてってください」と、おとうさんが いいました。

ももは ぱっと やねに かけあがると、
「わたしは、ここの うちのこだからね。おじいちゃんの
まごには ならないよ。ぜったい ならないよ」
と、いいました。おじいちゃんは、
「うーむ、それは ざんねん!」と、わらいました。
みんなも あはは あははと わらいました。

ももも あはは あははと わらいました。


2002ねん3がつ15にち はっこう
えほん・こどものひろば


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